「葬儀」という言葉は、大切な家族がなくなり、初七日法要が終わり、家にお迎えするまでの一連の流れを指します。「告別式」「お通夜」だけではないのです。
ここでは、葬儀の流れについてお話していきます。
お通夜までの流れについて
昔は「亡くなるときは、家で」という人も多かったと言われています。昭和26年には、家で亡くなる人の割合が80パーセントを超えていました。
しかし年々、「ご自宅で亡くなる人」は減っていき、「医療機関でなくなる人」が増えてきました。昭和50年ごろにこの2つの値がほぼ同じになり、現在では80パーセントを超える人が医療機関で亡くなっています。自宅で亡くなる人と医療機関で亡くなる人の割合が、ほぼ逆転したのです。
医療機関で亡くなった場合、医師によってそれが告げられます。
このとき、末期の水をとったり、エンゼルケア(ご遺体の清掃)が行われたりする病院もありますが、これについては病院ごとに違いがあります。
このときに家族がするべきことは、「葬儀会社への連絡」です。
連絡を受けた葬儀会社は、すぐに病院にかけつけ、ご遺体を運んでくれます。
葬儀会社の持つホール、もしくは自宅に運ぶことが一般的です。
このあと、納棺~枕飾りへと移行します。
納棺をきちんと行うことができ、枕飾りを完璧にできる、という人は極めてまれでしょう。これらはすべて葬儀会社の人が行ってくれるので、お任せして大丈夫です。自分たちの宗教(宗派)だけ伝えておきましょう。
死亡届や火葬許可証が必要になりますが、これらは基本的には医師と葬儀会社がやってくれますから安心です。
お通夜の流れについて
お通夜は、亡くなった当日~2日以内の夜に行われることが一般的です。この間に、親族などへの連絡をしておきましょう。
お通夜の前に決めなければいけないことは、たくさんあります。
葬儀の規模、会葬御礼の手配、食事の手配、宗教施設(寺など)への連絡、遺影の選定などが必要です。
ただこれらを決めるときにも葬儀会社が全面的にサポートしてくれますから、不安なところは何でも聞くようにしましょう。家族は、「故人がこういうことを希望していた」「こういう風にしてほしい」という要望を伝えるようにすればよいでしょう。
ただし、遺影の選定だけは家族が行う必要があります。
ちなみに、お通夜の場合、いわゆる「生臭」を避けるところもありますが、これは地方差や家族ごとの違いが大きいです。
お通夜の一般的な開始時間は、18時~21時です。
告別式と出棺、そして火葬
お通夜の後は、御棺をお部屋に入れ、一晩を家族と過ごします。
かつては蝋燭の火を絶やさないため「寝ずの番(不寝の番)」が必要でしたが、今は電気式の蝋燭が多く取り入れられているため、必ずしも寝ずの番は必要とはされません。
翌日が告別式となり、出棺、火葬となります。
火葬には1時間~2時間ほどかかります。このときは、火葬場にあるホールで軽食を頂く形が一般的です。
焼きあがったお骨を骨壺に入れて、「骨上げ」を行います。
初七日法要まで済ますのが一般的
現在は全国各地に親戚が散らばっている、という家庭が多いこともあり、初七日法要までは告別式の時に行ってしまうケースが多いです。
葬儀会社のホール(飲食施設を持つ場合)や料理屋にお骨と一緒に向かい、食事をとります。
そのとき、参加した親族に引き出物を渡してひとまず終了です。
この後、ご家族は身の周りの荷物を持ち、自宅に戻ることになるでしょう。
お骨は、仏壇があればそこに安置することもありますが、そうでない場合は祭壇を作り、そこに置くことになります。これも葬儀会社の人がやってくれるので安心です。
ここでは一般的な流れを紹介しましたが、葬儀の形は地方や宗教、家庭によって違いがあります。
お通夜や告別式の前に火葬をする地方もありますし、初七日法要をきっちり分けて行う家庭もありますし、初七日法要が終わった後すぐにご遺骨をお墓に納めるケースもあります。