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真言宗の葬儀の特徴

真言宗


真言宗の葬儀は全体的な流れは一般の葬儀とさほど変わりはありません。しかし焼香の回数など、細かいところに通常と異なる点がありますので、確認しておくことをおすすめします。

仏になるための葬儀

真言宗は空海を開祖とし、密教を根本とする宗派です。密教は密身、口意、意密の三密加持をすることによって自力本願することを唱えています。真言宗の真言には仏に願いを働く意味があり、この真言とそれぞれの手を組み合わせて様々な形を作る印という動作によって三密加持が成り立っています。この一連の修行を行うことにより、本尊である大日如来と一体になり、仏に転身することができるのです。真言宗は宗派が複数存在し、現在でもそれが残っているため地域や習性によっては葬儀や考え方が異なってくるかもしれません。真言宗の葬儀は、大日如来に包まれた浄土の場に故人を送り出すのが目的です。よく墓石などには独特な文字が刻まれることがありますが、とれにはは即身成仏、つまり仏に転身したという意味がこもっています。葬儀では灌頂の儀式があり、故人の頭に水をかける動作をします。これをすることで初めて仏の位に登ることができ、真言宗の葬儀ではとても大切なものになります。

通常と似た流れ

真言宗の全体的な葬儀の流れは一般のものとあまり変わりません。これに独自の作法が少々加わる形となります。真言宗の葬儀の枕経には般若理趣経、真言、陀羅尼などが読まれます。納棺の際には土砂加持といって真言を108回唱えて清められた土砂を遺体にかけることをします。これにより、仏の力で浄土に生まれ変わることができるとされています。この土砂は墓にもかけられます。通夜式では理趣経、慈悲の呪、光明真言などが読まれます。葬儀の作法としてはまず葬儀場や身を三密加持で清めて仏を葬儀場に呼ぶことから始まります。入堂をした後、塗香、三密観、護身法、加持香水の法が行われ、次に三礼、表白、神分、声明を行われます。ここまでの動作によって仏を葬儀場に迎え入れ、褒めたたえるのです。さらに剃髪、授戒をし、表白、神分、引導と、葬儀の中心といえる部分に入っていきます。そして各印明や開眼、授与が行われます。焼香もこの際に行われます。そして導師最極秘印という印が組まれると故人が無事浄土へ行き、出棺となります。

真言宗の焼香

焼香の際には、やり方としては香炉の前で一礼し、お香を右手親指、中指、人差し指の3本で持って額の高さまで押し頂きます。これは一般的な葬儀の時と変わらないやり方ですが、行う回数が真言宗の場合には3回となっています。これにはきちんとした意味があり、仏、法、僧の三宝を厚く敬うと同時に自己の内側にあるむさぼり、怒り、迷いの三毒を鎮めるためであるとされています。ただし、葬儀にたくさんの参列者がいる場合などは時間を早めるために1回のみ行うこともあります。

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